奥野 雅子 教授
博士(教育学)、臨床心理士、公認心理師、薬剤師
薬学部出身で、薬剤師を13年半勤める。その中で患者さんを助けるには心理学が必要だと思うようになり、独学で心理学の勉強を始める。夫のニューヨークへの転勤という機会に薬剤師を休職。アメリカの大学院で臨床心理学を専門に学ぶ。帰国後も薬剤師として働きながら東北大学大学院に入学し家族療法を学ぶ。【家族心理.com での紹介記事へ】
研究テーマのひとつは、専門家のコミュニケーションについて。心理臨床家や医療従事者、教師などの専門家がジェンダーについてどのように配慮してクライアントとコミュニケーションをとっていったら良いかということを研究している。
また、発達障害の子どもたちに対する支援もひとつのテーマとし、心理査定のより効果的なフィードバックのあり方や支援の方法などについて検討している。
東北大学薬学部卒業。
薬剤師として13年勤務した後、渡米し、3年間ニューヨーク在住。
その間アメリカの大学院に入学して心理学を学ぶ。
帰国後、東北大学大学院教育学研究科に入学。
博士課程在学中から臨床心理士として、教育や医療の現場で相談業務を行う。
薬剤師のコミュニケーション教育にも従事。
東北大学大学院教育学研究科博士後期課程修了後、2010年、安田女子大学心理学部准教授を経て、2013年4月から、岩手大学人文社会科学部准教授。
2019年4月、同大学教授。専門は臨床心理学、家族心理学、コミュニケーション。
YouTubeチャンネル【心理学講座 奥野雅子】を公開しております。ぜひご覧ください。~
■幅広く学べる課程
もともと相談を持ちかけられることが多くあり、同じ話を聞くなら本人にとってより役立つアドバイスがしたいと思い、臨床⼼理学を専攻しました。人間科学課程では、ひとつの学問にこだわらず幅広い分野の知識を吸収することで、自分の専門分野をより豊かにすることができます。例えば何か悩みを抱える人に対して面談を行う際、臨床心理学に加え社会学の知識も見に付けることによって、その人の背景も踏まえた面談を行うことができ、相乗効果でより充実したサポートにつなげられます。そのため、専門分野以外の授業を受けることができるこの環境を活かし、枠にとらわれず幅広く学んでいくことを心掛けています。
奥野先生はユーモアにあふれており、授業も興味をかきたてられるテーマが盛りだくさんで、他学部から聴きに来る学生もちらほら見受けられます。現在私は臨床心理士を目指しており、大学院への進学も決まっているため、これからも先生の授業で得た知識・経験を深めていきたいです。
■実践的な考え方を培う授業
行動科学コースの実習・演習の授業では、班ごとにアンケートを作成して集計をとったり、心理学の実験を何種類か体験してレポートを書くということをしています。学生同士のやりとりが多く、みんなとても仲が良いですよ。
奥野先生の授業は単純に知識を得るということだけでなく、実践的な考え方を培うことができるものです。例えば大学院の授業である障害児童心理学では、各障害の特徴や対処法に関する知識のほかに、障害を持つ本人の気持ちから家族の大変さまで掘り下げて教えてくださるので、早く臨床心理士として現場に出たいという思いも強まります。
これからも知識をさらに磨くことはもちろん、専門家としての責任や他職種の方との接し方なども考えていき、困っている方が少しでも元気になれるよう支援していきたいと思います。